(あしあと その208・中央区の107・伏見の1)
行啓通を西に向かっていくと、幌西自転車公園を左手に見ます。三角形の形状をしたその公園の東角に、大きな四角柱の石碑が建てられています。これは、「北海道総本宮 伏見神社」碑です。
札幌軟石でできた碑の碑面には、「北海道総本宮 伏見神社」と大きく刻まれ、その右側面には、「昭和三年十一月十四日」と建立された日付が刻まれています。
また、碑の左側面には「大典紀念」と、背面には「札幌郡藻岩村大字山鼻村伏見鎮座 藻岩〇」と刻まれていますが、一番最後の文字はセメントで塗り込められていて判読できません。
この碑が建立された昭和3年11月14日は、同月10日に京都御所での昭和天皇の即位式に続き、14日と15日の両日に大嘗祭(だいじょうさい)が執り行われました。これらの儀式は御大典と称され、それを記念してこの碑が建てられたことが、左側面に刻まれた「大典紀念」の文字に表されています。
伏見神社は、この石碑が建てられている場所から約700メートルほど南西に向かったところの高台に社殿を構えています。この公園の南側の市道をまっすぐ藻岩山に向かうと長い石段に突き当たり、それを登りきったところに伏見神社の第一鳥居があります。かつてはこの石碑が、伏見神社を目指して参詣する人のための表参道の目印になっていたものと思われます。
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