(あしあと その207・中央区の106・山鼻の11)
行啓通を西に向かって電車通を過ぎた右手に、最近まで公務員宿舎が建てられていて、今は更地になった広大な敷地があり、その一角に3本の樹木に囲まれた一つの石碑が残されています。
老朽化に伴って公務員宿舎が取り壊された後も残されたこの石碑は、「皇太子殿下御手播落葉松」碑といいます。碑面には、「皇太子殿下御手播落葉松」と刻まれています。
碑の背面には、「大正十三年十一月三日御下付植栽」と刻まれています。
この地には、かつて札幌報恩学園という知的障害者のための教育施設がありました。その創設は大正7年と古く、現在は厚別区に移転していますが、昭和37年に施設が移転した後は北海道が土地を取得し、職員宿舎が建てられました。この碑を囲むようにして3本の落葉松の木が伸びていますが、この木は、大正11年7月に北海道に行啓された皇太子殿下が真駒内種畜場に落葉松の種を御手播きされ、育った苗木がこの地に植えられたという由緒あるものです。
その後、この敷地には札幌報恩会の幌西ほうおんという就労支援施設が建てられ、現在は「皇太子殿下御手播落葉松」碑の周辺もきれいに整備されて保存されています。
ロープに囲まれた敷地のそばには説明板が立てられており、そこには
「~空にそびえる~落葉松(カラマツ)顕彰板
「3本の落葉松」は 昭和天皇陛下が皇太子殿下のおり 行啓なされた大正11年7月13日 市内真駒内にて 本道の教育振興を願い 趣旨をお手播きなされた 由来が明確な貴重な樹木です 「石碑」は その苗の配布を受けた札幌報恩学園小池九一園長によって【皇太子殿下御手播落葉松】大正13年11月3日御下付植栽と揮毫され 大切に育てられ現在に至っております
札幌報恩学園生はもとより 地元の子供たちの成長を見守りいただいた地域の大切な記念樹であり ここに深甚なる感謝を捧げます
平成29年4月1日 社会福祉法人札幌報恩会」
と記されています。
0コメント