(あしあと その153・中央区の81・旭ケ丘の2)
南9条通を西に向かい、交差する環状通を越えると、緩い登り坂になります。坂の途中で二股の交差点があり、直進すると旭山記念公園に至りますが、交差点を旭ケ丘方向に左折してすぐの左手の道路わきに、自然石でできた石碑が建っています。これが「旭可丘」碑です。
この碑は、住宅地の一角の狭い敷地に建てられていてあまり目立ちませんが、道路に面した一枚岩の自然石と、その碑面に白く浮き出た「旭可丘」の大きな文字は、堂々たる風格を備えています。また、碑面に向かって左側面には、「昭和二年九月建設 札幌市在郷軍人分會」の文字が刻まれています。
この碑はもともと現在の市道上に建てられていたものですが、工事中に破損したために修理したうえでこの地に移設されたんだそうです。旭ケ丘には、明治9年に山鼻屯田兵村が設置された際に、演習場や火薬庫、射撃場などの施設が置かれました。その中でも火薬庫には番兵が必要であったため、現在の碑が建っている場所に番兵所が設けられていたそうです。大正8年にこれらの施設の跡地が在郷軍人会札幌区分会に払い下げられ、大正13年から宅地化が急速に進められました。
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