(あしあと その637・中央区の211・円山公園の18)
円山登山道入り口にある大師堂近くに並ぶ石碑の中の一つが「弘法大師」像です。軟石で作られた台座の上に建つ立像は、前掛けと袈裟をまとい、鉄製の錫杖を手にしています。蓮華座の下にある上台の正面には、「弘法大師」と浮彫りがされています。
台座の中台の左側面には、「余市町大川町 発起人 増田雅雄」と刻まれています。
また、中台の正面には、次のように刻まれています。
「建立の趣旨 余市町大川町 願主増田スヨ当年五十五才
願主スヨは昭和三十一年春頃より胃病に侵され東西の医師の診療を受けるも全く空しく徒らに身心の消耗著しく偶々三十四年五月一日医大病院に診察の砌(みぎ)り偶然に円山公園に赴くに親たり弘法大師御修行の御姿を見奉る嗚呼不思議なる哉それ以来不治と想いし難病も日増に快復に向い遂に同年十月全快を見るに至る依って再度同所へ参詣するに大師の御尊像全く無く真に不思議の余り堂守に尋ねしところ斯る御尊像元より無く唯スヨは平素三宝に帰依するところに因り願主の心水にのみ映ず依てスヨの病苦は速得解脱と倶に家運倍増しての報恩謝徳の御為に大師の御本誓に帰命し此の聖地を訪る善男善女の為に茲に御本像を建立し佛徳を奉讃し奉るものなり
昭和四十一年十月九日願主合掌」
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