(あしあと その636・中央区の210・円山公園の17)
円山の登山口入り口にある大師堂周辺には、いくつかの石碑が建てられています。
その一つが、「奉納庚申」碑です。軟石の台座の上に、大きな自然石でできた碑が載せられています。碑面には大きく「奉納庚申」と刻まれ、その下に「申」の文字が3つ並んだ浮彫が施されています。また、上台などに家紋が刻まれているのが分かります。
碑の右側面には、「庚申六十一年目當年大正九年一月三日建之」と刻まれています。
碑の背面には、「聖徳太子 壹千参百年祭日 大正十年二月二十二日」と刻まれています。
また、碑の左側面には、「札幌開拓ヨリ五十年當年大正八年」と刻まれています。
庚申とは、元は「庚申の夜には謹慎して眠らずに過ごす」という行いであり、時代を経て「神なり仏なりを供養することで禍から逃れ、現世利益を得ようとする」信仰に変化していきました。猿が庚申の使いとされていることから、この碑にも「申(さる)」の文字が浮き彫りにされていると思われます。
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