(あしあと その507・中央区の172・大通公園の25)
大通公園の西7丁目の北側にある銅像。二人の漁師が力強く網を引く傍らで、魚が溢れるかごを持つ婦人に駆け寄る幼子の姿を表わしています。
像の脇には黒御影石でできた副碑が置かれ、碑面には「漁民之像」と刻まれた横に、「安藤孝俊書」と添えられています。
安藤氏は、北海道漁業近代化の父とも称され、出身地である福島県で警察官を拝命しましたが、その後北海道庁水産課に出向して組合運動の実践・指導に当たりました。それからは北海道漁業連合会の専務に就任して、漁業者の意識改革と生活水準の高度化に努めました。
副碑の左側面には、
「われわれの父祖は、きびしい風雪を耐え抜き、北海道開拓のさきがけとなった。
北海道百年は、道漁婦連創立十周年にあたる。
我ら全道漁協婦人部員三万余名は、先人の偉業をしのび北海道悠久の発展に貢献する決意をもって、ここに漁民の像を建立する。
昭和四十四年五月九日 北海道漁協婦人部連絡協議会」
と記された説明板がはめ込まれています。
副碑の背面には、
「題字 安藤孝俊 彫像 田畑一作 鋳造 伊藤美術鋳造研究所 石材 蕨石材工業株式会社 造園 札幌市公園課」
と記された金属板がはめ込まれています。田畑氏は、京都出身の彫刻家です。
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