(あしあと その517・中央区の100・山鼻の9)
山鼻公園から国道230号を南進していくと、北海学園大学の工学部がある山鼻校舎を過ぎてしばらく進んだ辺りに、歩道に面して樹木に囲まれた小さな祠があるのがわかります。
これは、「女夫(めおと)龍神」が祀られている社殿です。
社殿の正面扉の上を見上げると、「女夫龍神」と記された額が掲げられています。
祠の周りの敷地内には、大小のお地蔵様や小祠などが点在しているのがわかります。
中でも、歩道に面して建てられているお地蔵様が一番大きなもので、毛糸の帽子が被せられていることから、地域住民の方々に大切にされていることがうかがえます。
奥にある小さなお地蔵様も、赤い毛糸の帽子と前掛けが掛けられていますが、その背面には「昭和九年八月 本間貞」と刻まれているのがわかります。
この社殿は、元は屯田兵村の追給地であったこの敷地を含む450坪の土地を取得した本間トメが、昭和3年に建てたもので、生来病弱であった孫の健康と豊平川の氾濫や道路工事での犠牲者のために病難、地難、水難除けを祈念し、大石を祭神にして女夫龍神を祀りました(山崎長吉著「さっぽろ歴史散歩」より)。
同じ敷地内の社殿の北側には、昭和35年に京都の修養団体である徳風会によって建てられた油掛大黒尊天が祀られた社がありましたが、石狩市厚田区にある札幌霊園に移転され、現在その場所には介護施設の建物が建てられています。
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