「石狩調役荒井金助之碑」。

(あしあと その211・中央区の110・伏見の4)

伏見稲荷神社の境内には、いくつかの石碑が建てられています。神社の社殿に向かって右手の境内を望むと、大小の石碑が立ち並んでいるのが見えます。

その中の一番北側にある小さな三角形の碑が、「石狩調役荒井金助之碑」です。札幌軟石で組まれた台座の上に置かれた石碑の碑面には、「石狩調役荒井金助之碑」と刻まれているのがわかります。

さらに碑の背面には、「昭和元年十二月廿六日 伏見稲荷神社 神主 野村茂」と刻まれています。

荒井金助は江戸出身の幕吏で、北海道の初期の入植者の一人として忘れてはならない人物です。その名は、以前にこのブログで紹介した札幌開祖といわれる志村鐵一と吉田茂八の両名に、豊平川の渡守を命じたことでも知られます。また、道内を巡回して産油産炭の地を発見し、漁場開発や水産資源の保護に力を入れ、さらには開拓の範を示すために篠路に農家を入植させて荒井村を築いたほか、開拓初期の北海道の殖産興業に尽力しました。この碑は、荒井の功績を讃えるために、当神社の先代宮司が独力で建てたものだそうです。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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