「庖丁塚」。

(あしあと その391・中央区の136・円山公園の6)

円山公園北端の北一条通に面した一角に建てられた「庖丁塚」。白御影石でできた石柱に囲まれた台座の上に、自然石でできた石碑が鎮座しており、その碑面には、「庖丁塚 札幌市長 板垣武四書」と刻まれています。また、台座の石柱には、多数の企業名が刻まれています。

石碑の前には、「庖丁道 第二十七代札幌市議会議長 高橋忠明」と刻まれた白御影石の小碑を中央に、その左右に「協賛者」として11社の企業名が刻まれた小碑が置かれています。また、石碑の左右にも、「御奉賛者」として多数の人名が刻まれた黒御影石でできた小碑が置かれています。

注連縄が掛けられた台座の正面には、

「碑文 我々の祖先が初めて鉄包丁を用いて魚鳥を調理し食用に供したのは 古く弥生式文化時代であったが その後現在に至るまで 人間生活にとって表徴は不可欠なものとなっている

また平安時代には魚鳥を割くものを包丁刀と呼んでいた様に包丁をもって職としている者たちは 拠所として魂を打込んで取扱ってきた

使命を果した包丁に 感謝の念を捧げ この塚に収納し魚鳥の靈に永遠の冥福を祈りつゝ さらに食生活の向上を願って 札幌市の全調理師団体及び関係業界は この碑を建立した次第である

昭和四十七年七月二十八日」

と刻まれています。

石碑に向かって右脇に説明版が立てられており、それには

「庖丁塚魚鳥記念碑とアジサイ

アジサイは、日本で生まれた世界に誇れる花木です。

その祖先は伊豆地方などの海岸に野生するガクアジサイが改良されたもので、ヨーロッパはもとより広く全世界で栽培されております。

アジサイの花は咲いていくうちにだんだん色が変化していきます。土が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなります。この様に美しく変化することから「七変化」と言われています。

料理の世界においても、素材にいろいろと手を加えることにより、美味しく変わっていくことでは同じです。

アジサイは、この円山公園の敷地に建立された庖丁塚魚鳥記念碑にふさわしい花木と考え植樹しました。

平成21年7月30日 札幌市調理師団体連合会」

と記されています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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