(あしあと その366・南区の109・北ノ沢の2)
南区北ノ沢から中央区の盤渓に向かって、藻岩山の山麓を駆け上がるようにして進むと、その最上部の道路脇に「こばやし峠」碑が建っています。
碑は白御影石でできており、地面に大きく「こばやし峠」と、その下に小さく「産業開発道道促進期成会 会長 小林新夫」と刻まれています。また碑の右側面には、「平成元年十月二日 建之」と刻まれています。小林新夫氏は、前回紹介した「開拓記念碑」を建立した小林家の二代目当主です。
碑の台座の正面には、黒御影石でできた石板がはめ込まれ、それには、
「碑文
藻岩地区は北西の藻岩山・西南の砥石山と硬石山に囲まれ、その麓一帯を占める地区の大半は東方の豊平川へと傾斜している地形から「陸の孤島・熊の巣」と称されていた。北の沢地区は開拓以来入植者によって細々とした道はつけられたが依然起伏は険しく、急病人を運ぶに支障をきたし又肥料が運搬出来ないなど農業の衰退も引き起こした。この事態を憂いた有志が団結、昭和三十一年産業観光開発道道促進期成会を結成し道路造りに着手した。道路用地は幾多の辛酸により開墾された土地が地主の強い郷土愛によって無償で寄付された。関係行政との交渉道路工事時の困難を乗り越え昭和四十年十一月今日の道道西野真駒内清田線の貫通を見るに至った。現在通称「こばやし峠」と呼ばれるこの道は、札樽国道・国道虻田線・国道千歳線を最短距離で結び 又藻岩山の四季折おりの姿を鑑賞できる道として広く市民に親しまれている。
ここに先人の苦労を偲び北の沢の限りない躍進と繁栄を祈念する。
記 川淵初江」
と刻まれています。
碑の背面には「道路用地寄附者御芳名」として22名の氏名が刻まれています。また碑の左側面には、「開通記念碑建立藻岩有志」と刻まれています。
さらに台座の背面には、「顧問」、「発起人」、「世話人」の氏名が連ねられています。碑の施工は、㈲会社総合岡本石材となっています。
この道路が開通して約半世紀が経ちましたが、現在北ノ沢と盤渓を結ぶトンネルが掘り進められており、平成28年度末に供用開始が予定されています。
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