「郷社三吉神社」碑。

(あしあと その172・中央区の96・大通公園の12)

南1条西8丁目の市電通に面して、明治11年に秋田県の大平山三吉神社の御分霊を祀ったことから始まった三吉神社があります。その境内の北側に、本殿の脇にひっそりとたたずむようにして、2つの大きな石碑があります。

向かって左側の碑が、高さ2メートルほどの札幌軟石でできた「郷社三吉神社」碑です。碑の正面には、大きく「郷社三吉神社」と刻まれ、その右側面には、「社司 小川一誠 社掌 佐藤幸次郎 石工 中村清助」と3人の名前が記されています。

碑の背面には、最上部に「総代発起人」として木村藤吉以下8人、その下に「講社員」として村山駿三郎以下数十人の名前が刻まれていますが、碑の下部に刻まれた講社員の氏名は風化してしまい、ほとんど読み取ることができません。

また、碑の左側面には、「明治三十四年五月八日 平岸村字石山 願主 阿部九右衛門」と刻まれています。阿部九右衛門は、南区石山における札幌軟石の採掘が明治15年以降民営化された際に、その採石の第1号として名前が残っている人物です。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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