「故谷太夫紀念碑」。

(あしあと その166・中央区の93・豊水の13)

「故柏谷万吉之記念碑」の南側に並ぶ一回り大きめの碑は、「故谷太夫紀念碑」です。

その台座には、「明治三十年十月十日 追善會義太夫出席連名 定席丸市亭」と刻まれた後に続けて、「當區師匠連」として4名の氏名と、「天狗連」と「女連」の芸名が刻まれています。下半分に刻まれた「世話人」の名前は、時代の流れで生じた台座のひび割れに生えた苔によって、そのほとんどが読み取れなくなっています。

「丸市亭」は、明治時代の狸小路にあった寄席の一つです。義太夫は、江戸時代前期に生まれた浄瑠璃の一つで、正しくは義太夫節といいます。谷太夫は、その流派の一つの流れを汲む竹本谷太夫のことで、台座に記された師匠連に名を連ねている「竹本」と「靎(鶴)澤」はその家元になります。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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