「旧定鉄 下藤野停留所跡」。

(あしあと その93・南区の26・藤野の1)

国道230号を定山渓方向に向かって平坦な藤野の市街地を抜けた辺りで、国道は蛇行しながら緩やかな登り坂になり、その上り坂の手前の右側に含笑寺という大きなお寺がありますが、このお寺の裏の道を国道と並行して西に進むと、小さな東野の沢川の流れに突き当たります。この突き当たった柵と民家の敷地との狭い間に白い木柱が建てられていますが、この柱は、ここが「旧定鉄 下藤野停留所跡」であることを示しています。

木柱のそれぞれの面には、

「定山渓鉄道下藤野停留所跡(昭和二十三年開設・昭和四十四年廃止)」

「豊平駅から定山渓間(開設大正七年)の輸送の基幹として活躍し地域の発展に貢献した」

「藤野開基百二十年記念事業実行委員会」

「平成十六年五月建立」

と記されています。

この停留所は、起点の旧定鉄東札幌駅から数えて9駅目(停留所としては4駅目)、終点の定山渓駅から数えても9駅目(停留所としては6駅目)の駅になります。今では民家が立ち並ぶ住宅街になっていますが、かつては行楽客だけではなく地元の人間を輸送する交通機関として、旧定鉄が地域の繁栄に大いに貢献しました。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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