(あしあと その92・南区の25・豊滝の3)
碑というよりも祠(ほこら)と言った方がふさわしいですが、先に紹介した「皇恩」碑の傍らに鎮座しているのが、「熊野皇大神」と名付けられた石造りの小祠(しょうし)です。
祠には注連縄(しめなわ)が掛けられ、屋根部分の正面には「熊野皇大神」と刻まれています。神仏が収められるお堂部分の両正面には文字が刻まれているのが見て取れます。向かって右側には「(不明)天下」、左側には「行(不明)念」の文字ではないかと思われますが、風化が著しく判然としません。
小祠(しょうし)の台座部分には、
「奉納者 (不明) 奥田(梅)(不明) 世話人 篠原亀蔵 大正十一年 七月十三日」
と刻まれていますが、この大正11年7月は、昭和天皇がまだ皇太子であった時に北海道を行幸された時期にあたることから、地元の人間によって行幸を記念して奉納された祠ではないかと思われます。
0コメント