(あしあと その91・南区の24・豊滝の2)
定山渓に入る手前に広がる豊滝地域。現在の国道230号は谷に橋が架けられて直線化されていますが、かつては谷を避けるようにクネクネと曲がりくねった道路でした。今も残る旧国道に入って、豊滝の集落からずっと山の奥深くに向かって進んで行くと、道なりに右にカーブする手前の左側に鬱蒼とした木々に囲まれて大きな石碑が建っています。この碑が「皇恩」碑です。
石山地区で多く採られた札幌軟石造りの土台の上に、大きく「皇恩」の二文字が刻まれた自然石が載った堂々たる石碑。人家もほとんどない豊滝の山奥にこれほどの大きな石を運び込んだ労力を考えると、この地区に入植した人たちの天皇への崇拝の念を感じずにはいられません。
南区役所のHPによると、この碑は、
「明治31年から、皇室の財産として所有された森林いわゆる帝室御料林であった盤の沢の開拓と、大正14年の農耕地と山林の払い下げを記念して建立されたもの」
であることが記されています。
また碑の台座の両側には、入植者35人の氏名が刻まれているようですが、判然としません。
この碑がある場所は、札幌岳登山道の入り口になる盤の沢林道との分岐点に位置するため、登山者には石碑が登山口の目印とされているそうです。
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