「旧定鉄 滝の沢駅跡」。

(あしあと その89・南区の22・小金湯の1)

簾舞から国道230号のバイパスとして走る市道砥山線を小金湯方向に走っていくと、観音岩山の麓を貫く八剣山トンネルがあり、トンネルを抜けて豊平川にかかる砥山栄橋(とやまさかえばし)を渡ってすぐのところに、左折すると国道230号に出る細い道路が見えてきます。この道路との交差点手前の左側には平坦な草地となった広場があり、この交差点を左折するとすぐ左手に、桜の大木が立っています。

上の写真は、左側に走る道路が簾舞方向の砥山栄橋を望む市道で、右側に見えるのが桜の大木。そして中央に広がるのが広場です。桜の大木の根元に建てられている説明板を読むと、この場所が「旧定鉄 滝の沢駅跡」であることがわかります。

説明板には次のように記されています。

「二美桜(旧定鉄 滝の沢駅跡)

かつてこの地を走っていた定山渓鉄道は大正七年十月に白石から定山渓までの運行を開始した

大正十三年一月には滝の沢に停留所が設置され昭和四年十月の電化にともない待望の「滝の沢駅」が建設された

昭和六年 滝の沢初代駅長の福井正造氏らが 沿線の環境美化を目的とし駅構内にソメイヨシノの苗木を植樹 桜の季節には乗客の目を楽しませた

定山渓鉄道は昭和四十四年十月に廃線 線路がはずされ駅はなくなったが桜の樹はそのまま残されてこの地の人々に親しまれ続けてきた

平成十一年秋 かつての定山渓鉄道線路跡に市道が建設されるにあたり この桜の樹を「二美桜」と命名し 歴史の証として末永く保存することとした

平成十二年五月七日 二美桜 保存会」

滝の沢駅は、起点の旧定鉄東札幌駅から数えて13駅目(停留所を除くと7駅目),終点の定山渓駅からは数えて5駅目(停留所を除くと2駅目)になります。一番上の写真の中央に広がる広場に、滝の沢駅の駅舎が建っていたと思われます。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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