(あしあと その90・南区の23・豊滝の1)
先に紹介した二美桜のある市道からの横道を、国道230号が走る高台の上の方に向かってクネクネと登っていくと、右手に国道の下の暗渠から流れ出る滝の沢川が見えてきます。その暗渠に向かって左側の林の中に手すりのように鉄パイプが組まれ、その内側に山道らしき登り坂が取り付けられています。
登り道の奥を道路側から覗き込むと、そこに自然石でできた「丸大馬頭大神」碑が建てられています。碑面には、「丸で囲んだ大」の印に続いて「馬頭大神」の文字と、その横に「昭和二十六年五月十七日 建之」と刻まれています。
その台座の部分には、「大鐘」、「千」などの文字が刻まれているのが辛うじて判読できるものの、その他の文字は風化してしまって全く読み取れません。
この碑の謂れなどは、資料が乏しくてほとんどわかりません。豊滝の歴史を調べれば何かわかるかもしれませんが、ただ言えることは、豊滝地区の開拓の歴史において家族同然に慕われ養われてきた家畜の中でも、特に人間の働きを支え続けてきた馬を祀りたてた記念碑が、このような大自然に囲まれた中に保存されてきたということです。
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