(あしあと その41・中央区の39・護国神社の20)
彰徳苑の15基目の碑は、「北海道全海軍英魂之碑」です。
高さ3.9メートル、幅9メートル、奥行き4.5メートルの巨大な碑と、その両側に置かれた2基の鋼鉄製の錨。この錨は、重巡洋艦で実際に使われていたものだそうで、錨の側面に「贈 住友重機械工業株式会社・浦賀造船所」と刻印されています。
碑の中央の石版には、
「守るも攻むるもくろがねの 浮かべる城ぞたのみなる・・・勇壮なる軍艦行進曲のもと、固く心を結び合ったあの海軍生活。その絆をもとに北海道全海軍の集いは組織され、旧交を温め未来を語り、郷土の発展と平和に寄与すべく歩みを続けつつある。
日本の命運を賭しての戦いに敗れ、慟哭の中で迎えた終戦以来すでに三十有余年。思えば日本海軍創建以来、遠くは日清、日露の戦いから、近くはあの太平洋戦争に至るまで、いかに多くの将兵たちが戦火に斃れ、祖国に殉じていったことか〝海ゆかば水漬く屍・・・″と冷たい大海原の底深く沈み、あるいは雲流るる果てに散っていった戦友たち。今われわれが享受している日本の平和と繁栄は、これら多くの英魂の献身と犠牲の上に築かれたものであることを銘記せねばばらない。
ここにわれわれは、北海道、千島、樺太にゆかりのすべての海軍関係戦没者および戦後の物故者の霊を祀り、永遠にその遺徳を偲ぶとともに、日本の恒久の平和と郷土の繁栄を願う象徴とし、また、われわれ海軍関係者の心のふるさととして、この英魂の碑を建立する。
昭和五十三年八月二十日 北海道全海軍英魂之碑建立期成会」
と刻まれています。
碑の背面には、「昭和五十三年八月二十日建立」に続けて設計・施工者が刻まれています。
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