「吉井勇歌碑」と副碑。

(あしあと その775・中央区の234・大通公園の27)

大通西4丁目の大通公園内に、白御影でできた石碑があります。大小の四角い形状の石が並んだこの碑は「吉井勇歌碑」です。

正面に向かって右側の部分は、縦型の長方形の区画がされており、上部に「札幌の木 ライラック」と記されたブロンズ板がはめ込まれ、中央部には穴が貫通したデザインになっています。中央部分には、「家ごとに リラの花咲き札幌の 人は楽しく生きてあるらい 吉井 勇」と記されたブロンズ板がはめ込まれています。

一番左側は小さな正方形の副碑となっており、その正面には

「北国の詩情豊かな札幌は、ライラック(リラ)がよく似合う街です。昭和三十四年から大通公園を中心にさっぽろの初夏を飾るにふさわしい〈さっぽろライラックまつり〉が開かれていますし、”札幌の木”に選ばれたのはその翌年のことでした。

すぐれた歌人の吉井勇氏が昭和三十年にこの地を訪れ、その旅の記念として「北遊小吟」五首を残しましたが、ここに刻んだ一首にはライラックを愛する札幌市民の気持ちが暖かく詠まれています。

ライラックを行花とし、ことし三十周年を迎えた北海道銀行のご厚志によりこの歌碑の建立をみましたことを、市民とともに心から喜ぶものです。

碑名の揮毫 板垣武四(札幌市長) デザイン 小谷博貞(美術家) 昭和五十六年五月二十九日 札幌市」

と記されています。

碑のそばには説明板が立てられており、そこには

「吉井勇歌碑

デザイン 小谷 博貞(19152~005) 設置年 1981年 花崗岩 高さ140 幅220 奥行き70 寄贈者 ㈱北海道銀行

1955年に歌人吉井勇(1886~1960)が札幌を訪れ、旅の記念に詠んだ「北遊小吟」という短歌五首の中の一首です。表面と裏面に同じ碑文が刻まれています。リラ(ライラック)は1960年に、札幌の木に選定されています。北海道銀行のシンボルフラワーでもあり、創立30周年記念として寄贈されました。」

説明板に記されているように、この歌碑は公園側から見ても道路側から見ても、同じデザインが施されています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000