「小川直吉翁頌徳碑」。

(あしあと その604・中央区の207・桑園の4)

大通西19丁目にある養護老人ホームの「札幌市 長生園」の雨庭に、大きな一枚岩の石碑が建てられています。これは、「小川直吉翁頌徳碑」です。

碑面には大きく「小川直吉翁頌徳碑」と刻まれ、向かってその左側には、「海軍中將正四位勲一等功四級 東郷吉太郎書」と添えられています。薩摩藩出身の東郷吉太郎は、東郷平八郎の甥にあたる軍人です。

碑の背面には、筆文字で小川翁の功績と、「昭和十年八月」の年月に続いて発起人の13人の氏名が刻まれています。また左側面の下部には、「圓山 松翠 苅部茂三郎刻」と刻まれています。

小川氏は越後の出身で、明治15年に25歳で渡道し、土木建築請負業の傍ら私財を投じて行路病者や浮浪者等の保護に尽力しました。また、当時その場所を転々としていた開拓地蔵の安置に腐心し、この地に「開拓地蔵堂」を建設しました。小川氏は、当時首から上が欠けて首なし地蔵と呼ばれていたお地蔵様を修復して堂宇にお祀りしましたが、長生園の新築とともに地蔵堂は撤去され、現在お地蔵様は、双子山にある地蔵寺に大切に安置されています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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