「馬頭観世音」碑。

(あしあと その445・中央区の147・円山西町の7)

円山西町の藻岩山麓通から枝道に入って宮の森に抜ける峠道の頂上付近に、明治35年に開山した高野山真言宗の隆光寺という寺院があります。

この境内に、大きな「馬頭観世音」碑が建てられています。

碑は札幌軟石で造られており、碑面に大きく「馬頭観世音」と刻まれています。碑の右側面には、「大正三年六月 施主宮坂坂藏」と刻まれています。また、この碑のすぐ前には、「馬頭尊」碑と刻まれた小さな石碑が置かれています。

この碑の裏側には、かつて手水石としてつかわれていたのではないかと思われる直方体の軟石が置かれており、その周囲には「寄附人名」として多数の氏名が刻まれています。

石碑に刻まれた宮坂坂藏氏は信州諏訪の出身で、明治15年に新天地を求めて琴似村に入植し、果樹栽培を手掛けて成功しました。氏は社会奉仕の精神をもって私財を投げ打つこともいとわず、大正2年に北3条西19・20丁目に建てられた初代札幌西高校の土地を安価で提供した人物としてもその名が知られています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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