(あしあと その352・中央区の127・円山西町の4)
円山公園内を流れる円山川をさかのぼっていくと、円山西町の丘陵地帯を流れる小川になりますが、その途中に「不動の滝」と呼ばれる滝があります。円山西町と改称される以前は、この地域一帯は滝の存在から「滝の沢」と呼ばれていました。
昨年からこの滝の場所が知りたくて探していましたが、夏場は草が生い茂って、滝の姿はおろか川の流れさえ見ることのできない状態でした。唯一この滝の存在を伝えるのが、川を渡る市道に架かる「滝不動橋」ですが、橋の上から川面を覗いてみても、滝の姿を見ることはできません。
今年に入って、私がその滝を探しているという噂を聞きつけてくれたお友達から、「私の友人が、石碑のある滝の場所を知っている」という情報をいただいたので、草が生い茂る前にその滝を見つけることができました。
滝というよりも、急流の様相を呈したとても小さな流れです。それでも開拓者たちが入植した当時は、信仰の対象として存在していたのでしょう。川の左岸には石造りの階段が築かれていて、その頂上部にこれも石造の祠が建てられていました。
祠には観音開きの木戸が取り付けられていましたが、施錠はされていなかったので扉を開いて中を覗いてみると、中には堂々とした不動明王像が祀られていました。
すすきのの近くにある成田山新栄寺の境内に愛染明王像が建てられていますが、それはこの不動明王が祀られた「滝の不動」から移設されたことが記されています。
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