(あしあと その265・南区の82・簾舞の4)
国道230号を定山渓方向に向かって、簾舞中学校に入る道を左折し、山なりに続く市道をひたすら奥へと進んでいくと、約1.5キロ㍍ほどの地点で左側に鳥居が建っているのが分かります。
神社の社殿ががあるのかと鳥居の下をくぐってさらに奥に進むと、急な斜面に札幌軟石の石段が丘の上まで続いており、周囲には社殿らしきものは見当たりませんが、うっそうとした木々に覆われた丘の上に「大金神」碑が鎮座しているのが見えてきます。
丸石が積まれた土台の上に建つ札幌軟石でできた石碑の碑面には、大きく「大金神」と刻まれ、その左脇には「加藤冨藏翁書」と添えられています。
また碑の背面には、「昭和二十八年九月二十四日建之 部落氏子一同」と刻まれています。
金神(こんじん)は方位神の一つですが、金神がいるとされる方角はあらゆることに対して凶をもたらすといわれています。大金神は、金神に似たものとして後になって設けられた方位神の一つで、十二支によって大金神のいる方角が定められました。想像に過ぎませんが、碑が建てられた当時この地域に凶事が起こったため、それを鎮めようとして部落の氏子たちによってこの碑が建てられ、鳥居を構えてまつったものではないかと考えられます。
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