「石鎚神社」碑。

(あしあと その854・南区の179・定山渓の25)

札幌市の南端に位置する札幌岳は標高1,293mの火山で、豊平峡ダムの手前にある駐車場から冷水沢コースの登山道が延びています。山頂に至る登山道の出口付近に、小さめの石が積まれた小山に立てかけるようにして自然石でできた碑が置かれていますが、登山道を登ってきたところが碑の裏側にあたるので、山頂にたどり着いてから振り向いてその存在に気がつきます。

碑は三角形の形状をしていて、碑面の文字は一部が風化して読み取りにくくなっていますが、上部の「石鎚」という文字が刻まれているのがわかります。この石碑は「石鎚神社」碑です。石碑の本体も上下に2つに割れていて、それを積み直していることがわかります。建立年は定かではありませんが、昭和5、6年ごろと推定されています。

石鎚神社は、四国の愛媛県にある西日本最高峰の石鎚山を神体山とした神社で、明治時代に石鎚山敬神講の信者が全国を行脚して回り、その一環として札幌岳にも山岳信仰の対象となるこの碑が置かれたものと思われます。山頂の寒暖差のある厳しい気候が風化を早めているようですが、この碑が長く残されることを望みます。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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