「羆慰霊之碑」。

(あしあと その788・南区の167・定山渓の23)

国道230号を定山渓から中山峠方向に向かって進んで行くと、右手に無意根山登山口の看板が見えてきます。その登山口への林道の入り口から国道を挟んで左手に、国道に沿うように細長い空き地が延びていて、その奥に今は廃墟に近い旧定山渓熊牧場の施設が残されています。

この辺りは薄別と呼ばれる地域になっていて、昔から薄別温泉の湯治場として利用されており、旧定山渓熊牧場の敷地の北側には、高級温泉旅館の佳松御苑が今も営業しています。

以前から、敷地内に石碑があることを聞いていたので、敷地を囲む金網の外から中を窺ってみたところ、かつてヒグマを観覧するために設けられたと思われるコンクリート塀の近くに、自然石でできた碑が建っているのを確認することができました。これが「羆慰霊之碑」です。当然関係者以外の立ち入りは禁止されているので、敷地外で金網の上から園内を見たところ、その位置からは石碑が横を向いた状態で建てられていることが分かりました。資料によると、碑面には大きく「羆慰霊之碑」と刻まれているようですが、その他詳しいことはわかりません。写真ではよく見えませんが、台座の上に新しい花が手向けられていて、施設で飼育されていたヒグマたちの霊は、今も関係者の手によって懇ろに慰められているようです。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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