「緑ヶ丘保健林碑」。

(あしあと その654・南区の148・真駒内の20)

地下鉄南北線の南の終点、真駒内駅の延長線上に広がる森林の中に小高い丘があり、その頂上に石碑が建てられています。

石碑は、石積みの台座の上に自然石が置かれており、碑面には大きく「緑ヶ丘保健林碑」と刻まれ、その下に「北海道知事 町村金五書」と添えられています。

碑の背面には、

「私どもは大自然の恵みに感謝し このすばらしい緑の贈物を守り 永く後世の人びとに伝えましょう

昭和四十五年十一月三日 建設期成会」

と刻まれています。

この緑豊かな一帯には、かつて真駒内種畜場の広大な農牧場が広がり、たくさんのエゾヤマザクラが自生していました。この碑がある一帯は、訪れる人々から「桜山」と呼ばれるほど、花見の季節にはたくさんの人でにぎわい、近くを走る定山渓鉄道の窓からもその眺めは格別であったと言われています。終戦後、種畜場はキャンプクロフォードとして接収され、一般市民が訪れることはなくなり、軍の施設が次々と建設されていきました。昭和30年代には、札幌の人口増加に伴って宅地造成が計画され、桜山の大自然を残そうと立ち上がった住民が反対運動を展開して計画を中止させました。昭和45年には北海道から保健保安林や鳥獣保護区などに指定され、また散策路も整備されて、桜山の大自然を楽しむたくさんの市民が訪れています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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