(あしあと その652・南区の146・川沿の13)
藻南公園にある多目的広場の脇に「宝性地蔵尊」の像がひっそりと佇んでいます。
台座に載った立像の「宝性地蔵尊」と、その前には小さなお地蔵さまが置かれています。
「宝性地蔵尊」の台座の背面には、「昭和二十五年十月建之 阿部独海 彫刻」と刻まれています。阿部独海は、札幌でも有名な石工であり、桑園にある「桑園延命地蔵尊」も独海の手によるものです。
小さなお地蔵様には、「昭和三十年一月二十二日亡 七才 幡司正寛」と刻まれており、当時七歳の男の子が、おそらく水難事故で命を落としたことを供養するために建てられたものだと思われます。
地蔵尊のそばには円柱型の石碑が建てられており、それには、「發起人」、「相談役」、「世話人」、「役員」、「寄附者」ごとに多数の氏名や企業名が刻まれています。ところどころいたずらによって文字が掘られたり傷がつけられているのは残念です。
南区のHPによると、この地蔵尊は、敗戦後、遊びに来ていた3人がおいらん淵で水死するという事故をきっかけに、宝流寺仏教婦人会が水死者の供養のために建てられたものになるそうです。
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