「成墾紀念碑」。

(あしあと その327・南区の100・簾舞の6)

簾舞にある花岡神社の境内には、いくつか石碑があります。その一つが、小高い丘の上に立った鳥居の脇に佇む「成墾紀念碑」です。

自然石でできた碑は、札幌軟石で築かれた台座の上に置かれた丸い自然石の上に建てられており、碑面には「嘉禾是豊 成墾紀念碑」と大きく刻まれ、その左側の上下に、小さく「農學博士 佐藤昌介」と「農學博士 南鷹次郎」と刻まれています。

また、碑の背面には、半ば風化した小さな文字刻まれ、そこには

「明治二十一年 着手 明治四十一年 成墾 明治四十二年 建設 鈴木〇良 書」

と読み取れます。

台座の周囲には、「寄附人名」と「發起人」の多数の氏名が刻まれており、そこには「第四農場」という字も見て取れます。

簾舞地区の開拓の歴史は、明治21年に札幌農学校の第四農場として拓かれたことから始まりました。この農場は、札幌農学校の生徒たちが洋式農法を学ぶとともに、その経営を支えるために開設されましたが、明治28年に経営難に陥ったため小作制度を取ることとなり、25戸の小作人により発展していきました。碑に刻まれた佐藤昌介と南鷹次郎は、ともに北海道帝国大学学長を務めた人物です。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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