(あしあと その855・南区の180・定山渓の26)
札幌岳に登る登山道にはルートが2つありますが、豊平峡側に登山口がある冷水沢コースから入ってしばらく進んで行くと、右手に観音様の石像が安置されています。
観音像は台座の上に置かれていますが、風化が激しくコケに覆われているので、あまり状態が良いとは言えません。
観音像委の背面には文字が刻まれているのが分かりますが、その文字も風化が著しく、判読することが困難です。資料によると、
「隈部次雄 詠
南無大悲大慈 大悲の観世音 良き児 よくゝ みちびきたまへ
大正十三年五月二十四日北大予科一年生安藤豊太郎この付近の渓流を渡渉せんとし過って激流に呑まれ依って供養のため且つ後人に此の誠を遺さんとてこの碑を建つ
父 安藤寿郎 記 大正十三年七月 岡田起作書」
と刻まれているそうです。
観音像の左側面にも文字が刻まれているようですが、こちらは判然としません。
この像は、元々豊平峡の奥にあった炭酸水という景勝地で遭難した学生を慰霊するために、その地に置かれていたものですが、豊平峡ダムの建設と共にダム湖に水没することになる昭和45年ごろに現在地に移転されたようです。炭酸水は、その名のとおり炭酸水が自然湧出していた場所になりますが、現在はダム湖の底になっています。
0コメント