(あしあと その303・西区の1・小別沢の1)
中央区宮の森から山間に入る市道を走り、トンネルを抜けた先が西区福井となります。このトンネルは小別沢トンネルと呼ばれていますが、明治35年ころに小別沢の小集落が生まれた当時は、札幌の中心部まで山道を2時間以上歩いて行かなければならない難所であったことから、地域住民の力により約2年の歳月を費やし、昭和3年に素掘りのトンネルを完成させました。現在は整備されてきれいなトンネルに代わっていますが、私が学生の頃は幽霊トンネルと呼ばれるほど、ゴツゴツした岩肌が露出した狭いトンネルでした。
このトンネルを抜けて小別沢の集落に入った右手に、小別沢会館という地域の公民館があり、その前に「馬頭観世音」碑が建てられています。碑は丸石を積んで固めた台座の上に建てられ、その碑面には「馬頭觀世音」と大きく刻まれています。
碑の背面には、「昭和十年九月十七日建之」と刻まれています。
北海道の入植民とともにその開拓の歴史を歩んできた牛馬は、家族同然に大切に養われてきました。その霊を慰めるために建てられたのがこの碑です。
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