(あしあと その290・南区の91・滝野の2)
常盤から滝野すずらん丘陵公園に向かう道道の途中、坂道の頂上付近にひっそりと建っている記念碑が「記念碑 厚別水車器械所跡」です。
白御影石でできた記念碑とその右側にレリーフが並ぶ碑は、その前を車で通りかかってもなかなか気が付くことがありません。
石碑には、
「記念碑 厚別水車器械所跡
北海道開拓使は、明治十二年二月、この地に厚別(アシリベツ)水車器械所を建設し、荷台の水車を動力に、大圓鋸、小圓鋸、横切鋸、柾挽鋸、柾鉋及び鏇床を用い、主に屋根柾を生産した。
その後、北海道事業管理局時代に厚別木挽所と称したが明治十九年北海道庁の方針により事業を停止した。
ここに、その歴史的な役割と、先人の偉業を讃える為、記念碑を建立する。
平成十年三月吉日
芸術の森地区町内会連合会」
と刻まれています。
碑の右側に並ぶレリーフには、当時の器械所の全景がブロンズ版に象られています。
札幌本府を建設するために大量の木材を必要とした開拓使は、森林資源が豊富であったこの地にアメリカから輸入した水車を動力とする製材機械を設置し、主に屋根材を中心とする建築資材を生産しました。その後、資源の枯渇によって無人となった時期もありましたが、現在の北広島市に入植していた人たちが農地として開墾をはじめ、昭和19年の字名改正によって、厚別の滝を象徴とする滝野と称されるようになりました。
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