(あしあと その252・南区の76・藤野の11)
国道230号の「藤野2-2」の交差点を藤野聖山園方向に折れ、しばらく行った先の小山の上に札幌育児園があります。札幌育児園は、さまざまな事情によって家庭での生活が困難になった子どもたちが生活する児童養育施設です。この園の前庭に、「天野宗軒句碑」が建っています。
自然石でできた句碑には、
「子は思いきり呼ふ 五月嶺波形に 宗軒 昭和丙申十一月建立」
と刻まれています。丙申(ひのえさる)は昭和31年の年になります。
天野宗軒は、島根県出身のホトトギス派の俳人です。育児園のHPに「昭和30年に園歌が制定された」と記されていますが、この園歌を作詞したのが、当時の常任理事であった天野銀市(宗軒)でした。南区のHPによると、この碑は当初は南9条西1丁目にあった旧育児園の敷地内に建てられていましたが、昭和48年に育児園が現在地に移転するとともに、碑も移設されました。札幌育児園は、明治39年に札幌孤児院として開所された歴史ある施設で、天野宗軒は昭和7年に主事として入園して以降、子供たちとともに過ごす人生を送りました。
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