「地神碑」。

(あしあと その125・南区の39・定山渓の6)

定山渓農地神社の木製の鳥居から奥を望むと、林の奥に五角柱の石碑が建てられているのが見えます。これが札幌市内に十数か所あると言われる「地神碑」の一つです。

五角柱のそれぞれの面には、農業や山、穀物などに深いかかわりのある神様の名前がそれぞれ刻まれています。その神様は、「天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)」、「大國主神(おおくにぬしのかみ)」、「稲倉魂神(うかのみたまのかみ)」、「猿田彦神(さるたひこのかみ)」、「大山祇神(おおやまつみのかみ)」です。

これらの神々に対して、五穀の豊穣を祈願し、秋には収穫を感謝する目的で建てられたのがこの碑なんだそうです。碑の正面の台座には「発起人」として6人の氏名が刻まれており、その他の面にもそれぞれ人の名前が刻まれています。台座の背面には、人名の次に「昭和五年(不明)月建之」と建立の年月が刻まれています。

この碑の多くが北区に建てられており、南区内には2か所だけです。五角柱という碑の形状は四国からの入植者の手によるものになるようです。ちなみに、この碑が建てられている定山渓農地神社は社殿を持たない神社で、境内にこの地神碑が祀られているだけです。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(西部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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